司法書士の難易度や合格率、独学での勉強時間、年収などについて
司法書士は、法律に関する書類作成をメインに活躍することのできる専門家です。
具体的には、不動産に関する法律関係事務の処理(登記の申請や契約書類作成など)が
主な業務内容となります。
一般的には司法書士というとマイホーム購入や不動産投資に関連する取引をするときに
お世話になる専門家というイメージがあります。
司法書士は、これらの不動産業務に追加して、
最近では借金問題(債務整理)などの業務でも活躍の範囲を広げています。
これは司法書士試験合格後に一定の研修と検定試験を受けることで
簡易裁判所での訴訟代理行為を行える「認定司法書士」の制度があるためです。
現在、司法書士資格を取得している人の過半数がこの認定司法書士としての登録も行っています。
認定司法書士になることで扱える業務の範囲が大幅に増えることになりますので、
今後もこの流れは拡大していくとともに、司法書士の活躍範囲も広がっていくことになるでしょう。
司法書士の難易度や合格率、独学受験について
司法書士試験は、最難関の司法試験に次ぐ難易度と言われています。
近年は受験者数はやや減少傾向にあるとはいえ、
平成28年度の合格率はわずか3.9%程度となっています。
司法書士の試験科目は短答式の筆記試験と口述試験で行われます。
合格のために必要な勉強時間は30,00時間程度と言われています。
仕事をしている人の場合、毎日3〜4時間の勉強時間を確保できたとしても
数年間はチャレンジし続ける必要がある試験と考えておくべきです。
学生の方であれば短期合格のためには毎日6〜8時間程度、
休日は10時間以上の勉強時間は確保しておきたいところです。
このように難関の司法書士試験ですから、
独学での合格は非常に難しいというのが現実です。
特に仕事をしながらの合格を目指す方は資格スクールの利用を検討しましょう。
大手資格スクールの司法書士講座は20ヶ月程度の講座期間を設定されているもので
費用は50万円程度です。
司法書士の年収や報酬
司法書士の平均年収は独立開業して仕事をする人と、事務所に所属して仕事をする人で
大きな開きがあるというのが実情です。
勤務司法書士の人の平均年収は400万円程度、
独立開業する場合にはどのぐらいのお客さんがつくかによって
勤務司法書士と同程度〜数千万円を超えるケースもあります。
司法書士事務所の多くが所長の司法書士と
その他数人の勤務司法書士で構成される小規模の事業となっています。
業界的に勤務司法書士は「実務の勉強中」ということで
それほどお給料は高くないというのが実情のようです。
司法書士の資格を取得してキャリアアップ、年収アップを目指すのであれば
独立開業まで目指すのが一般的です。
司法書士の資格取得のための勉強をしながら司法書士事務所に所属して実務経験を積み、
司法書士資格取得後に独立開業するというのが一般的なキャリアの築き方と言えます。
司法書士はこんな人におすすめの資格
司法書士は、法律系資格の中でも独立して仕事をしていきたいと考えている人におすすめの資格です。
「手に職をつけていつかは一国一城の主に!」と考えている人にとって
非常に魅力的な職業ということができるでしょう。
一方で、司法書士は法律系資格の中では司法試験につぐ難関試験です。
本気で司法書士資格の取得を目指すのであれば短期間に勉強に専念できる環境を作り出すか、
2年から3年間の長期的な計画をもとに勉強をすすめていくことが必要になります。
また、司法書士として独立するのであれば司法書士事務所での実務経験が必要になります。
司法書士事務所の多くは代表の司法書士1人に従業員数名という
小規模の会社が多いので、転職活動を行うのであれば大手の転職サービスだけではなく、
ハローワークや街の求人広告などからも広く情報収集することが大切です。