管理栄養士になるには?国家試験の難易度や求人、年収について

栄養士と管理栄養士の違いって?管理栄養士の仕事

 

管理栄養士とは、食・栄養についての専門知識を活かして栄養指導を行い、健康に生活を送るためのサポートをする仕事です。

 

単に栄養に関してアドバイスをするだけではありません。病院・老人保健施設などでの給食調理や献立の作成から、アスリートの栄養管理を行うこともあります。子供の食育・正しいダイエット指導なども業務内容に含まれることもあります。例えば病院では入院食の献立作成や発注・調理などを行い、保育園では乳幼児の食事・おやつ作り、献立作成から食育のための教室を開いたりします。

 

そのほか、あまり知られていませんが、スポーツジムで健康相談・メタボ指導を行ったり、食品メーカーに勤務して食品・メニュー開発を行っている管理栄養士もいます。栄養士は現場で調理師と同じように働くことも多いですが、管理栄養士はより専門的な仕事をすることになります。

 

栄養士と管理栄養士の違い

 

栄養士との違いは、より高度な知識を求められるということです。

 

栄養士と管理栄養士の資格はそれぞれ栄養士法に定められています。

  • 栄養士資格は、栄養士養成施設において2年以上栄養士として必要な知識および技能を修得し、都道府県知事に申請して公布されます。
  • 管理栄養士資格は、管理栄養士国家試験に合格 した者が厚生労働省に備える管理栄養士名簿に登録されて管理栄養士の免許を受けることができるという違いがあります。

 

管理栄養士は国家試験に合格する必要があり、栄養士よりも資格取得の難易度が高くなります。

 

 

 

管理栄養士になるには?国家試験や難易度について

 

管理栄養士になるには、高校を卒業した後に管理栄養士過程のある大学・短期大学・または専門学校に入学して、専門過程を修得し、卒業する必要があります。

 

これらの学校のことを管理栄養士育成施設と呼び、全国に143校あります。管理栄養士は実習があり、勉強する内容も幅広いため夜間の学校はなく、必ず昼間学校に通わなくてはいけません。

 

管理栄養士は国家試験に合格することが必要であり、管理栄養士過程の学生は実務経験なしで国家試験を受けることができますが、栄養士過程の学生は実務経験を1〜3年以上することが必要です。

 

管理栄養士国家試験受験のためのルート

 

1.栄養士養成施設を卒業し、栄養士として実務経験を積む。

  • 2年制の専門学校・短大 → 実務経験3年以上
  • 3年制の専門学校 → 実務経験2年以上
  • 4年制の専門学校・大学 → 実務経験1年以上

 

2.4年制の管理栄養士養成課程を修了する。

 

1のルートは、最短でも5年かかるため、管理栄養士を目指すのであれば管理栄養士過程のある学校に行く「2のルート」のほうが早く取得をすることができます。

 

また、管理栄養士国家試験の合格率は約50%程度ですが、1のルートの場合働きながら勉強しなくてはいけないため既卒の合格率は30%以下と低くなっています。そのため、管理栄養士の資格を取るためには、受験資格を得るために4年生の学校に通って学校で勉強する方が圧倒的に有利です。

 

栄養士資格を持っている方が働きながら管理栄養士の資格を取りたいという場合は、通信講座で勉強する方法もあります。DVD講座を用意しているところもあり、通学せずとも勉強できるのが通信講座の良いところでしょう。

 

 

管理栄養士の求人や年収は?

 

管理栄養士の平均年収は約350万円と言われています。給与だけで考えると、同じ国家資格である薬剤師や看護師に劣ります。休日は勉強会や学会があることもあり、管理栄養士は好きではないと続けられない職業だと言われることもあります。

 

ただし、資格を持っていることでメリットを感じる方も多いようです。まず、就職がしやすくなるということです。福祉施設には必ず必要な存在なので、今後高齢社会ではニーズがどんどん増えて行くことが予想されます。

 

また、独立してお店を出すときに説得力が出るというメリットもあります。職場だけでなく、普段の生活でも食に気をつけるようになるため、健康的な食生活を送れるようになるようです。さらに盲点なのは、資格更新が必要ないことです。一度資格を取っただけで一生働くことができます。女性は家事・育児で現場を離れていてもすぐ職場復帰できるというメリットがあります。

 

 

管理栄養士はこんな人におすすめ

 

まずは食への関心があることが大前提です。食べものを食べること、作ることに関して好奇心がある人にオススメです。

 

管理栄養士は栄養バランスを考え、健康的な生活をサポートする仕事なので、健康に関心が高い人にも向いている資格です。管理栄養士は献立を考える仕事というイメージが強いですが、実際に調理をすることもある職業です。

 

普段から料理をしていたり、料理をすることが好きな人、美味しいご飯を作って、それを食べてもらうことに喜びを感じる人とってはまさに天職とも言えるのではないでしょうか。

 

また、意外なポイントですが、体力があり、健康であることも重要です。職場では立ち仕事の場合も多く、大量に料理を作ることもあるからです。雇う側としても、健康的で体力のある人を望んでいます。さらに、管理栄養士は子供から老人まで、さまざまな年代の人と接する機会があるので、人と話をしたり、接することが好きな方が適しています。